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大工

大工


大工(だいく)とは、木造建造物の建築を建たり、修理を行う職人のことです。
古くは建築技術者の職階を示し、木工に限らず各職人を統率する長、
または工事全体の長となる人物をさしていました。
「さしがね」を考案した聖徳太子が組織した職位で、 建築の「木」に関わる職を「右官」、
「土」に関わる職を「左官」と呼んでいました。
古代造寺司においては、建築に限らず工匠の長を「大工」、副を「少工」と呼んでいました。

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目次

大工の歴史

飛鳥時代

右官

建築の「木」に関わる職を「右官」、「土」に関わる職を「左官」と呼んでいました。
建築技術者の職階を示し、木工に限らず各職人を統率する長、又は工事全体の長となる人物をさしていました。

宮大工

飛鳥時代に朝鮮から渡来した慧滋(えじ)と慧聡(えそう)が始まりといわれています。
奈良の明日香村に、飛鳥寺(あすかでら)を建設しました。
聖徳太子は、彼らから、建築技術の教えを受け、法隆寺を建立しました。
このことにより、聖徳太子は「大工の神様」といわれています。
宮大工の始まりは、慧滋(えじ)と慧聡(えそう)ということが出来ると思います。

奈良時代

大工

「大工」とは、奈良時代の律令に定められた木工寮の最上位者の官名です。
足羽郡人の益田縄手(ますだのなわて)は、大仏殿建立に大工(棟梁)のひとりとして活躍し、連(むらじ)の姓(かばね)を賜りました。

平安時代

大寺社専属の建築職人集団「座」、[木工座」

平安時代になると、建築需要の変化から、朝廷に属さない建築職人が出てきました。
建築職人は、「座」、「木工座」という集団を結成しました。
「木工座」は、大工、権大工(引頭)、長(オトナ)、連、の4階層に分かれ、 大工は「大工職」としてこれらの集団を組織しました。
大工は世襲が認められ、大寺社は、専属の木工座を持ちました。
そして、「座」を統率する、大工の棟梁が生まれました。

棟梁

朝廷の役職としての長、「大工職」「座」「木工座」の長、工事全体の長となる人物のことです。

鎌倉時代

大工職

鎌倉時代になると、朝廷の木工寮・修理職に大工が所属して活躍していました。
鎌倉中期以降しだいにその数も減少しました。
京都在住の大工のほとんどが両賀茂神社・法成寺・建仁寺等社寺の「座」、「木工座」に所属していました。

室町時代

大工職の分化

社寺付属の大工座衆の中から、社寺の行事に使用する、神具、道具や家具等を専門に製作する大工が発生し、大工職から分化して、宮大工、桧物師(ひものし)、曲物師、建具職、宮殿師(くうでんし)、指物師などの職種ができました。

安土桃山時代

大工職の独立

戦国時代になると、城郭の造営や城下町の建設という大規模建築が必要となり、社寺付属の大工座衆だけでは、その膨大な工事に対応しきれなくなり、「座」が崩壊しました。
このため、社寺の座から離れて、新たな大工の集団を組織させ、その長に集団の統率権を与え、建築労働力の確保に努めました。
これが朝廷、社寺から離脱した棟梁の発生です。

江戸時代

民間職業としての大工

江戸時代頃から、建築に携わる職人を大工と呼び、統率者に対しては、棟梁と呼ぶようになりました。

棟梁

日本建築の屋根の重要部材(棟と梁)は親方が墨付けし、棟上げ式の長でもあることからそう呼ばれました。

大工の職長・親方

木造建築物の采配を行う責任者のことです。

 

大工の分類

宮大工

宮大工(みやだいく)は、神社・仏閣の建造などを行う大工です。 釘を使わずに接木を行う(引き手・継ぎ手)など、伝統的な技法を伝えています。 寺社を「お宮さん」と言っていたので宮大工といいます。

寺社大工

木造で寺社を造る大工です。
町奉行、寺社奉行という行政上の自治の管轄が違うため町大工と区別されます。

請負大工

一般的な木造住宅における木材・建材の加工・取り付け作業を行う大工です。
宮大工ではないが、木造住宅の墨付け・きざみ・建て方および屋根仕舞・外部造作・内部造作全般を取り仕切ります。

町屋大工

木造で家屋を造る大工です。
古くから日本各地では相互扶助の単位として町(町場)という共同体があり、 江戸時代までは公的な自治単位として町(町場)が存在していました。
町大工は町(町場)の冠婚葬祭の互助活動や消火活動(町火消)、祭礼(山車・神輿の作成)、橋、井戸の屋根、つるべや上水道の枡、木管や下水のどぶ板といった町内生活施設の保守、点検などを、町鳶(とび職)と協力して担ってきました。

数寄屋大工

茶室を造る大工です。
木造で茶室風を取り入れて家屋を造ります(数寄屋造り、書院造りといいます)。
侘び寂び(わび・さび)や花鳥風月といった粋や趣を表現し、実用一辺倒ではない細工や材料を用います。
茶室には欠かせない炉を専門とする炉壇師という職人もいます。

船大工

船大工(ふなだいく)は、木造船(和船、帆掛け舟、屋形船)の建造などを行う大工です。
漁師町では大工と船大工を兼業する者も多く、社会的な役割も町大工に近かったようです。

建具大工

建具大工(たてぐだいく)は、障子・ふすまなどの製作を主とする大工(表具屋、建具屋と呼称することが多い)です。
欄間を作る大工は彫り物大工とも呼ばれ専業になっています。

家具大工

家具大工(かぐだいく)は、家具を作る大工(箪笥職人、家具職人と呼称されることが多い)です。
主に葛籠(竹製ではない)、ちゃぶ台、茶箪笥、箪笥(階段箪笥、薬箪笥)などを造っていました。

 
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